氷上高校女子バレーボール部監督 川釣修嗣さん(姫路市)

2019.12.15
たんばのひと特集

川釣修嗣さん

長所伸ばし強豪率いる

全国屈指の強豪高校を率いて14年。自宅がある姫路市から、毎日1時間20分をかけ通っている。生徒を型にはめず、長所を伸ばす指導を心掛けている。

東京都出身で、小学2年生から奈良県で過ごした。バレーボールに縁はなく、中学校では器械体操部に所属。身長が急激に伸びたこともあり、教師の勧めで2年生からバレー部に転部した。卒業後は大阪の強豪、清風高校でインターハイ3位など輝かしい成績を収めた。筑波大学に進学、一学年下には現日本男子代表監督の中垣内祐一さんがおり、レギュラーを競い合った。

「教師になる」夢をかなえるため、実業団からの誘いは断った。日ノ本学園(姫路市)に赴任したが、部活動は活発ではなく、女子バレー部は名ばかりで在籍わずか2人。少しずつメンバーが増えたが、紅白戦ができないため、近隣の中学校に赴いて練習試合をするなど苦労を重ねた。「小学生チームに負けるほどのレベルでした」と振り返る。赴任4年目には近畿大会への出場を果たすほどの実力を付けた。

福崎高校を経て、39歳で氷上高校へ。2012年には全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)で準優勝を果たすなど好成績を収めた一方で、15年にはインターハイ県予選で敗れ、35年連続インターハイ出場の日本記録が途絶えた。「偉大な記録を途絶えさせられないという重いプレッシャーが、生徒にもかかっていたと思う」と振り返る。

監督みょうりに尽きるのは、教え子が高校卒業後もバレーを続けてくれること、と言う。「目標は日本一だが、指導者として強豪のまま次の世代に引き継ぎたい」。52歳。

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