猟師の担い手増やそう 仕留める瞬間を間近で 市が初の体験会

2023.12.24
地域

車座になって猟師と語り合う参加者たち=兵庫県丹波篠山市中で

兵庫県丹波篠山市はこのほど、狩猟に関心のある市民を対象にした初めての「狩猟体験会」を、泊まれる学校おくも村(同市中)などで行った。同市猟友会の協力で、参加者は同施設近くの山へ入り、銃猟の様子を間近で見学。昼食にシカ肉のジビエ料理に舌鼓を打った後、猟師から実際の活動や暮らしぶりなどを聞いた。

同市は、市猟友会から推薦を受けた猟師を「鳥獣被害対策実施隊」に任命し、有害捕獲活動を行っている。今後の体制強化のために、より多くの人に関わってもらうきっかけをつくり、担い手を増やそうと企画した。

猟友会の協力で銃猟を見学する参加者たち

参加者は4つのグループに分かれ、猟犬を従えた猟友会員の後に付き、山へ入った。猟犬がシカを追い込み、猟師が待ち伏せするポイントで見学。シカ1頭を仕留める瞬間が見られたグループもあった。

同施設に戻り、市の担当課が獣害対策の取り組みや同実施隊制度、市の支援制度などを説明。また、元同市地域おこし協力隊で、若手猟師の長井拓馬さん(33)が猟師になったきっかけなどを語った。長井さんは、「自分は農業が主体だが、農業をするには農業ができる環境がいる。農業にも影響する山の荒廃を防ぐために、お金を得ながら猟をしたり、木を切ったりしながら環境を整えることを一つの仕事と捉えている」などと話した。また、車座になり、猟友会員に気軽に質問できる場も設けられた。

宝塚市から参加した男性(63)は、「猟友会のチームワークは見事だった。農業も含めて里山の暮らしに関心があり、狩猟がにわか体験できる、数少ない機会だと思い参加した。猟をする人が減っているという背景にも触れることができた」と話していた。

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