炊き出し食材を被災地へ 農家が協力 「支援の気持ちつなぎたい」

2024.01.20
地域注目

炊き出し食材の野菜などを被災地に送ったNPO法人・いちじま丹波太郎の関係者ら=兵庫県丹波市市島町上垣で

兵庫県丹波市市島町で農産物直売所を運営するNPO法人・いちじま丹波太郎(荒木武夫代表)が、能登半島地震の被災地で行われる炊き出しの食材などを、支援物資として段ボール箱10箱で発送した。出荷農家が寄付した野菜を、防寒具や調味料などと一緒に送った。

同法人の事務局を務める秋山知美さん(44)が、知人を通じて「避難所で行う炊き出し用の食材を寄付してもらえないか」と依頼を受け、荒木代表らの後押しを受けて出荷農家らに呼びかけた。多くの人から反応があり、「何かしたいと思っていた。動いてくれてありがとう」とお礼を伝える人もあったという。

現地で必要と思われそうな物を寄付した人も。防寒用の「はんてん」とドリップバッグコーヒーを持参した男性は「コーヒーでホッとひと息つきたい人もいるのでは」と、被災者の心情をおもんぱかった。

支援物資は、NPOなど6つの支援団体が一緒に活動している「TEAM JAPAN」の拠点(石川県羽咋市)に送り、珠洲市の避難所へ届けられると聞いているという。段ボール箱には、被災地の人を励まそうと、イラストやメッセージを描いた。

また、丹波太郎は、同直売所や神戸市内などの移動販売拠点で募金も実施。野菜の売り上げを募金にする「ドネーション野菜」の取り組みも始めた。直売所でお年玉を寄付した小学5年生は「地震で家とかが倒れたし、被災者の人は怖い思いをしたと思う。早く復興してほしい」と気遣った。

事務局の秋山さんは、2014年に起きた丹波市豪雨災害でのボランティアをきっかけに移住。18年の西日本豪雨の際には、仲間たちと炊き出しのボランティアに駆け付けた。「多額の寄付は難しくても、自分にできる小さな支援をしたいと思っている人たちの気持ちをつなぎたい」と秋山さん。「たくさんの人が素早く協力してくれている」と感激し、「良いエネルギーのようなものを循環できれば」と話していた。

募金やドネーション野菜の活動は今後も続ける。発信はインスタグラム(tanbataro2001)で。

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