野生動物の実習所 元官僚の地域おこし協力隊員起業 一般向けにセミナーも

2024.02.02
ニュース丹波篠山市地域地域注目

3日にオープンする「野生鳥獣研究所『けものら』」の内観と金山さん=兵庫県丹波篠山市遠方で

兵庫県丹波篠山市地域おこし協力隊の金山俊作さん(39)が3日、同市遠方の自宅横に野生動物を解剖する実習施設「野生鳥獣研究所『けものら』」をオープンする。動物病院や教育機関向けに動物解剖学の研修を行うほか、一般向けには野生動物に関するセミナーを開く。

金山さんは兵庫県三田市出身。北摂三田高時代の生物教諭に影響を受け、獣医師を志して岩手大に進学。獣医師免許を取得し、三田市の動物病院に2年間勤務後、農水省に入省。2022年3月まで家畜衛生や動物検疫に関わった。鳥インフルエンザや豚熱などの感染対策を担い、「そもそもの原因となっている野生動物の実態を把握しなくては」と起業を決意した。

古民家を改装した「けものら」

22年4月、実家から近く、起業支援が充実している丹波篠山市の地域おこし協力隊となり、ジビエ食肉処理施設「ジビエスタンド カーリマン」(同市大上)で鹿の解体を研修したり、研究所となる古民家を改装して起業準備をしたり、西紀北地区のイベントを手伝ったりしてきた。

研究所は間仕切りをなくし、約60平方メートルの1部屋にし、床を全面コンクリートにした。実習に使う冷蔵庫や冷凍庫を設置した。

金山さんは「人、動物、環境全てが健康で健全な〝ワンヘルス〟の考え方で取り組みたい。野生動物衛生獣医師という新たな分野を切り開きたい」と話している。

3日の開所式には、関心のある人の参加も呼びかけている。午後1時半から開所式。2―4時、自由に見学できる。駐車は近くのタノシックリゾート西紀荘(遠方122―1)に。

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