兵庫県丹波市立前山小学校6年生13人が7日、かつて校区内にあった余田城の城主・余田(監物)為家が切腹した場所と伝わる「監物(けんもつ)岩」を見学した。ふるさと学習の一環。地元住民のガイドで、山中にある高さ8メートル、幅10メートルほどの巨岩を目指し、地域の歴史ロマンに浸った。
天正年間、丹波では戦国武将・明智光秀と黒井城主・赤井(荻野)直正が激しい戦いを繰り広げた。直正に従っていた為家も攻められ、余田城に火が放たれた後、再起を期そうと黒井城に向かう途中で明智勢に追われ、自害したと伝わる。
降雨による2度の延期を経て、”三度目の正直”で見学がかなった。これまで見学予定日に決まって雨が降り、「『来たらあかん』って為家が言ってるんかな」と恐れる児童もいた。
直前にぴりぴりと雨が降り出す中、ふもとから数百メートル先の巨岩を目指し、険しい山道を進んだ。監物岩に到着すると、平らになっている岩上に全員で立ち、余田城があったとされる向かい側の山を眺めた。気付けば、雨は止んでいた。
男児は「思ったよりでかかった。見晴らしも良い。もしかしたら、ここで自分の城が燃え落ちていくのを見て、『もう無理だ』と諦めたのかも」と、当時の為家の状況を推察していた。