舟城神社本殿が県指定文化財に 複雑な屋根に特長 社寺建築で市内9件目

2024.03.29
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県指定文化財となることが決まった舟城神社本殿=兵庫県丹波市春日町長王で

兵庫県丹波市春日町長王の舟城神社の本殿が、県文化財の指定を受けることが決まった。丹波市教育委員会によると、社寺建築で県指定を受けるのは市内9件目。

同本殿は、1749年(寛延2)、播州多可郡塚口新田(現・同県西脇市)の大工、飛田平蔵が建築した。創建は1446年(文安3)と伝わり、本殿は再々建となる。また1857年(安政4)、正面の向拝に、向唐破風造りの張出部が増設された。これらの年代は2枚の棟札に書き残されており、棟札も文化財指定に含まれている。

本殿は大規模な入母屋造り。県教委によると、特に向唐破風造りの張出部が、複雑な屋根形式の特性を作っている。また、飛田姓の大工は、播磨・丹波地域で活躍していたことが分かっており、建築年代や飛田姓大工の関与が明らかな点からも「丹波市域の近世後期の神社本殿を代表する貴重な遺構」と認められた。

同神社は、近世には「祇園牛頭天王社」と呼ばれ、「牛神さん」として近隣の信仰を集めた。

同市教委文化財課は「市内の建造物が評価されて良かった。所有者の方と共に、適切に保護管理が行えるようにしていきたい」と言い、同神社の村山義人宮司(89)は「代々伝わってきたものなので大事にしたい。県にも認められたことで、しっかりと残していけるのではないか」と期待していた。

同神社は昨年4月に同市有形文化財に指定されたが、県指定に伴い市指定は解除される。

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