兵庫県丹波市は、丹波竜をはじめとする化石展示や各種体験学習の拠点施設「丹波竜化石工房ちーたんの館」(同市山南町谷川)を再整備する。床面積を拡大して常設展示の内容を一新し、これまでになかった来館者の学習スペースを設けるなど、施設全体を充実させる。化石の展示にとどまらず、大地の成り立ちや脊椎動物の進化を紹介するなど、丹波市の自然への関心をいざなうストーリー性を持たせた展示内容とすることで、郷土への誇りを育む生涯学習施設とする。今年9月24日から休館し、来年7月ごろのリニューアルオープンを計画している。総工事費は4億4550万円。
同工房拡充基本計画によると、連結している市山南支所の一部スペースなどを活用する形で増床する。また、現在は車庫として使用している部分の一部に、骨格標本などを保管する倉庫を設ける。これらにより、延床面積は670平方メートルから1140平方メートルに拡張する。
常設展示は、「プロローグ」「大地のなりたち」「丹波の化石」「生命のあゆみ」「エピローグ」の5ゾーンに区分する計画。岩石標本などを展示したり、丹波竜全身骨格を中心に、その他の恐竜の骨格も紹介したりする。篠山層群に関連した化石も紹介する。
また、絵本や入門書、専門書籍を置く学習交流ゾーンを新設する。来館者の自習スペースとし、机やいすを並べる。このほか、キャッシュレス対応の券売機を設置したり、新たに授乳室を設けたりする。化石のクリーニングルームは引き続き見学できる。展示などを活用した教育普及活動にも力を入れる。
同館は2007年に開館し、10年にリニューアル。その後も新たな化石が見つかっているが、館内のスペース不足により、充実した展示が行えていない課題があった。