田艇吉像”一等地”へ 駅正面に移転 郷土開発の”大偉人”周知に

2024.04.17
丹波市地域歴史注目

柏原駅の真正面の緑地に移転した田艇吉翁銅像=兵庫県丹波市柏原町柏原で

兵庫県丹波市の柏原ライオンズクラブ(小田晋作会長)は結成60周年記念事業として、JR 柏原駅前緑地の整備と田艇吉翁の銅像の同所への移転工事を完工した。同市柏原町出身で阪鶴鉄道(現・福知山線)の“生みの親”となった田艇吉銅像を柏原駅正面の“一等地”に据えることで、郷土開発の大偉人を改めて地元や同線利用者に知ってもらう狙い。

駅前広場正面にある同緑地は広さ165平方メートル。現駅舎が建て替えられた1990年代に現在の形に整備された。今回は並んでいるケヤキの剪定、植栽の植え替え、モニュメントの塗装など全面的に化粧直しすると共に、緑地南側のバス停付近にあった田艇吉翁銅像を緑地中央に移転した。総費用は約400万円。

銅像は、鐘ヶ坂トンネルや阪鶴鉄道の建設に大きな功績のあった田艇吉翁を顕彰するため、同県氷上郡内外から寄付を募って1937年に柏原町の東市庭(現・古市場公民館北側駐車場)に建立されたが、戦時中に金属回収のため軍部に供出された。66年に氷上郡公民館敷地に再建されたが、郡民会館(現・柏原自治会館)建設に伴って崇広小学校前に移設。その後も柏原駅前駐輪場、さらにバス停付近と、転々と引越しを余儀なくされた。

同クラブ記念事業委員会の谷水雄一委員長は「柏原駅の真正面の誰にも目につく所に納まって、翁の偉業が地元住民だけでなく沿線や利用客の人たちに改めて知ってもらえることを期待している」と話している。

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