兵庫県丹波篠山市ではツバメたちの巣作りが始まっている。市内のさまざまな建物には昨年以前に作られた巣が残っているが、ふと見上げるとさっそく鳥の姿。その鳴き声は、「チュンチュン」―。
雨が降る中、ツバメの巣に陣取っていたのはスズメ。ツバメたちはまだ巣の周辺におらず、「お先に」とばかりにわが物顔で辺りをうかがっている。
スズメがツバメの巣を利用することは珍しくなく、スズメが高い順応性を持つことのほか、営巣する瓦屋根の民家が減っていることなどが原因と考えられている。
いす取りゲームならぬ、家取りゲームのよう。「もう、よそ様の家を断りもなく」と思うのは人間だけで、スズメの行動も人間の影響でもある。
人間の活動が鳥たちの活動にも影響を与えるさまを目の当たりにすると、自然の中でお互いかかわりあって生きていることを実感する。
ツバメは迷惑がっているかもしれないが、スズメも必死。「何とも言えんわ」とつぶやきつつ、つい愛らしい姿に笑みを浮かべながらシャッターを切った。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)