黒大豆栽培で認定新規就農者に 吉田啓記さん(神戸市)

2024.05.19
たんばのひと

吉田啓記さん

通販での好評きっかけに

アパレル会社を経営する傍ら、以前からそのおいしさに魅力を感じていた丹波篠山市産の黒大豆を自ら栽培しようと新規就農。新たに合同会社「よしだ農園」を設立し、このほど同市から「認定新規就農者」に認定された。「思いを込めておいしい豆を作りたい。都市部などから人を呼び、収穫体験なども開いていけたら」と意気込む。

丹波市山南町長野出身。学生時代は野球に打ち込み、山南中学校から神戸国際大附属高校に進学。白球を追う日々を過ごした。

その後、サラリーマンを経てアパレル会社を立ち上げ、インターネットで通信販売をする中、同じ通販サイトで丹波篠山の知人から仕入れた黒枝豆を販売してみたところ、「とてもおいしい」と大好評を得た。
反響に驚く一方、「黒大豆を作ったことのない自分が売っても、その良さをうまく説明できない」と考えるようになり、「自分も本場の丹波篠山で栽培しよう」と一念発起。3年前、同市岡野地区にある親戚の家を拠点に栽培をスタートした。

苦労を重ねつつ、昨年からは教えを請うた農家から同市藤坂の農地を紹介してもらい、38アールで枝豆や黒大豆を栽培。今後、経営面積の拡大や黒大豆みその生産に加えて、ドローン防除の作業も受託していくなど、農家として成長していく計画だ。
「丹波篠山の黒大豆は甘くてほくほく、粒も大きい。まだまだ知らない人もいると思うので、ネットも使って全国に広めていきたい」と夢を描き、「もっと生産量を増やさないといけないと思うが、農家の高齢化が進んでいる。少しでも担っていけるように頑張りたい」。38歳。

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