まさかの発見 清掃活動中に4、50年?前の缶ビール 「タイムスリップしたよう」

2024.06.10
地域注目

クリーン作戦で回収された1971年発売のアルミ缶ビール。気分はタイムスリップ=兵庫県丹波市青垣町大名草で

兵庫県丹波市の一斉クリーン作戦の中で、同市青垣町大名草で回収された空き缶の中から見慣れぬアサヒビールの缶が見つかった。丹波新聞社がラベル下部に記載された「ALL ALUMINIUM CAN」(オールアルミニウム缶)を手掛かりに調べたところ、1971年にアサヒビールが発売した、国内最初のアルミ缶入りビールと判明した。思わぬ「発見」に、「タイムスリップしたよう」と地域の話題になっている。

同社の沿革史などによると、同年6月販売開始のラガービール。日本の缶ビールは58年に同社がスチール缶入りで発売したのが始まり。今回見つかった商品が本邦初のアルミ缶。軽く、冷やしやすく、飲んだ後の処理が簡単で、当時の広告は「アサヒ〈アルミ缶〉」。アルミ缶を前面に打ち出し、販売に力を入れていた。

終売は85年ごろ。現在はキリンビールと業界トップを争う同社だが、70年代のシェア率はキリン60%、アサヒ10%程度だった。87年に同社の大看板「スーパードライ」が登場し、アサヒが躍進した。

集落から朝来市生野町に抜ける国道429号青垣峠の山頂から150メートルほど下った、谷底に近い斜面に半分埋まっているのを、住民の杉本正志さん(76)が見つけた。「まさかそんな古い物とは」と目を白黒させ、「そんな昔のごみを今頃拾うとは」と苦笑い。

毎年、クリーン作戦で歩いている場所。破損したカラーコーンの破片を回収しようとして露出に気づいた。生野町で5月28日に24時間雨量191・5ミリの猛烈な雨が降ったことで斜面が洗われ、土中に埋もれていた缶が露出した可能性がある。

関連記事