アマチュア落語家 春歌亭丹馬さん(養父市)

2024.06.23
たんばのひと

春歌亭丹馬さん

笑いは「副作用ない薬」

丹波、但馬地域のアマチュア落語家でつくる「たんたん落語会」の創設メンバー。昨年は、全国各地のアマチュア落語家が出演する大会で最優秀賞を受賞。同会に所属する子どもを指導したり、子ども落語大会を開催したりと、後進の育成にも力を注ぐ。

丹波篠山市曽地中出身。広島大学教育学部時代、テレビやラジオで活躍する笑福亭仁鶴さんや桂文枝さんらに憧れ、落語研究会に入った。「手っ取り早くタレントになりたかった。不純な動機」と笑う。

大学卒業後は、理科の教科書を製作する東京の出版社に入社。29歳の頃には、「自分でつくった教科書で勉強を教えたい」と高校教師に転身し、兵庫に戻った。働きながら老人ホームなどで落語を披露した。

36歳の頃、それぞれで活動していたアマチュア落語家5人が集まり、たんたん落語会を結成。以来、但馬地域で行う定期公演のほか、地域の敬老会や高齢者の教室、小学校の行事などに出演し、笑いを届けている。

これまでに指導した子ども会員は20人以上。落語の楽しさに触れてほしいと、褒めて伸ばし、歌などそれぞれの子どもの特技が生きるネタを書く。全国大会で優勝を果たす子どもも輩出した。「落語は表現力や豊かな個性が身に付く。将来、どんな職業に就くとしてもきっと役立つ」

「自分の発した言葉で笑い、喜んでくれる。こんなに最高なことはない。人が楽しんでくれるのを私が楽しんでいる」と笑い、「同級生で集まれば、必ずと言っていいほど薬の話になるが、自分は一切飲んでいない。笑いは『副作用のない薬』」と語る。本名・田中久典。70歳。

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