可憐ムラサキニガナ 「色や形、美しい」 標本送り市公式記録に

2024.07.17
丹波篠山市地域自然

ムラサキニガナの花=兵庫県丹波篠山市火打岩で

兵庫県丹波篠山市火打岩の林縁部の斜面に、キク科の多年草ムラサキニガナがかれんな花を咲かせている。急峻な斜面100平方メートルほどに約20本が見てとれる。市内での自生は珍しいとされ、その存在は一部の植物愛好家の中で知られる程度。このほど、同市在住の植物画家、小豆むつ子さんが、県立人と自然の博物館に標本を届けたため、市内初の公式記録となった。

草丈は60センチから2メートル近くにもなり、直径1センチほどの赤紫色の花を咲かせる。茎や葉を傷つけると白い汁が出る。本州から九州の山地に分布。群馬や山形、長野などでは絶滅危惧種に指定されている。

丹波新聞6月20日号で報じた、マメ科の“珍木”ユクノキの発見者でもある小豆さん。ユクノキのその後を見ようと確認に訪れた際に気づいた。

 

斜面に咲くムラサキニガナ。小さな多数の花が見てとれる

ただし、篠山市サギソウ保存会会長の谷口次男さんが2011年に自費出版した写真集「篠山で見た植物」において別の場所で撮影した写真を収録していることから、自生自体は初確認ではない。近隣の丹波市では、氷上郡時代に標本記録がある。

小豆さんは、「花は小さいながらも色や形が美しく、存在感がある」と花の印象を話している。

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