兵庫県丹波篠山市糯ケ坪の「理容 西山」にあるサクラソウ科「マンリョウ」が、赤い実を付けたまま夏を迎えている。正月の縁起物に使われることが多く、通常、実を付けるのは10―12月ごろで、春までには実を落とす。理容に訪れる人たちは、「なんでまだ実があるん?」「造花か?」と驚いており、地域の密かな話題になっている。
同店の西山洋子さん(83)によると、例年、春頃になると実が黒くなって落ちるが、なぜかみずみずしい赤い実がなったままで、すでに新芽も出ている。
鳥についばまれるのを防ぐため、毎年、赤い実を付けると店内に運び入れ、霧吹きで水を与えている以外は、特に何もしていない。実が冬を越した珍現象は2019年にもあった。
「19年の時はいつまで実が付いていたか、気にしてなかったので、今回はずっと観察する」と言う西山さん。「何年かに1度、長持ちする年があるよう。縁起物なので、今年は良いことがあれば良いな」とほほ笑んでいる。