七不思議を調査 ウィキで世界へ発信 「地域の魅力再発見を」

2024.10.28
丹波篠山市地域

「ウィキペディアタウンin丹波篠山―篠山の怪談七不思議」への参加を呼びかける千原さん=兵庫県丹波篠山市西吹で

兵庫県丹波篠山市立中央図書館(同市西吹)は、篠山城下町に伝わる「篠山の怪談七不思議」を調査し、インターネット上の百科事典「ウィキペディア」に記事を書いて世界に発信するイベント「ウィキペディアタウンin丹波篠山―篠山の怪談七不思議」を11月24日午前10時―午後5時、同館を拠点に実施する。10月30日まで参加者を募集している。

ウィキペディアタウンは、その地域の名所や特産物などを調査して作成した記事を「ウィキペディア」に載せ、地域の魅力の再発見やアピールにつなげるイベント。全国的に図書館が主催することが多く、同館では、若年層の図書館利用促進を狙って初めて開催する。

篠山の怪談七不思議の舞台は東新町、西町、北新町、東沢田、河原町で、つるべ落としや一つ目小僧、のっぺらぼうといった妖怪も登場する。丹波篠山の郷土史家、奥田楽々斎(明治―昭和35年)によって著された旧多紀郡の歴史書「多紀郷土史考」(1958年発行)の中に記述がある。

歴史ある丹波篠山の城下町周辺ではその昔、数多くの怪談話が語られていたといい、奥田氏は著書の中で「私の子供時代(明治三十年頃)には篠山町にでも怪談があって、子供仲間でも大いに信じていたものだ。俗に篠山の七不思議とでもいうか、その頃は大人でさえも真面目に話を聞かしてくれたものだ」と記している。

イベントでは、七不思議の舞台となった4カ所を巡り、それぞれの場所で図書館司書から物語を聴いたり、現場の写真を撮ったりする。これら実地調査の後、同館でウィキペディアを編集する。

対象は市内在住、在勤、在学者で、小学生以下は保護者1人が同伴する。定員10人(申し込み多数の場合は抽選)。事前にウィキペディアのアカウントを作成(無料)しておく。雨天の場合は実地調査を中止し、館内で資料の調査などを行う。

同館職員の千原拓歩さん(23)は、「資料を使って物事を調べることも図書館の大きな活用方法。図書館の役割や物事の調べ方について、このイベントを機に知ってもらえたら」と期待している。

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