兵庫県丹波篠山市南新町で地域の竹を使ったまちづくりを進めている「南新町美しいまちづくりの会」(清水恵治会長)が、2009年頃から間伐を進めてきた竹林で、野点の催し「竹林でお~いお茶」を初めて開いた。間伐が進んだことや、来年4月開幕の「丹波篠山国際博」で観光客の増加が予想されることから、プレイベントとして企画。近くの住民や観光客らがきれいに整備された竹林と、篠山城跡の景色を愛でながら一服した。
住民の有志でつくる同会は、南新町の城跡寄りにあった放置竹林約3ヘクタールを整備しながら、その間伐竹材をプランターに加工して道路沿いに配置してきた。また、竹林には国蝶・オオムラサキの幼虫の餌となるエノキがあることから、毎年、飼育している篠山小学校の児童が放蝶している。
催しでは、城跡が見える位置に縁台や傘、毛氈などの野点セット2台を置き、同会の女性が茶をたててもてなした。整備に関わった住民や竹林近くに住む住民、城跡や城下町を訪れていた観光客らが散策と野点を楽しんだ。
2年前に同県尼崎市から移住した堀江史朗さん、明子さん夫婦(南新町)は「竹林の中まで入ったのは初めて。こんなにきれいに整備されているとは思わなかった。自然を感じられる中でのお茶は格別」とのんびり過ごしていた。
茶をたてた同会の前川恵子さん、田中千晶さん、植村ひろみさんは「参加者の方にゆっくり過ごしていただき、喜んでいただいて何より」と喜び、清水会長は「城跡から御徒士町武家屋敷群、河原町のルートを散策する観光客の休憩所として利用してもらえるよう準備していきたい」と話している。