兵庫県丹波篠山市内で昨年10月に出会った「白スズメ」。冬の間、何度か近くを通ったが姿を見ることはなかった。「もしかして」と心配していたが、日差しが少し春めいた26日、ついに越冬を果たした白スズメに再会。しかも―。
眼球が黒いことから、色素が抜けるアルビノではなく、突然変異による「白化個体」とみられる。羽の一部は普通のスズメと同じ色をしている。
4カ月ぶりに出会った白スズメは、寒さ厳しい冬を乗り越えただけでなく、白さゆえにいじめられたり、他の鳥に追い掛け回されることがあるとされる環境を生き抜いていた。前はピンクがかっていたくちばしが黒くなり、成長も垣間見える。
昨年と同様、普通の色をしたスズメとともに、電柱の鉄パイプから「ひょこっ」と顔を出す。やっぱり「仲良し」だ。
しばらくレンズ越しに眺めていると、そろってパイプから飛び出した。戻ってきたスズメたちの口には枯れ草。2羽は「つがい」で、巣作りの真っ最中とみられる。
無事に生きていただけでなく、親になろうとしている姿に、思わず視界がにじむ。もしかすると白い幼鳥が見られるかもしれないが、白でも普通でも、どちらでも構わない。命をつないでほしいと願う。
「元気でいてくれてありがとう。子育てがんばって」とつぶやいて現場を後にした。子育ての邪魔にならないよう、たまにこっそり姿を見に行きたい。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)