兵庫県丹波篠山市に残る山城跡をテーマに、地域同士の連携や保存・活用について考えようと、「歴史文化まちづくりフォーラム~徹底解剖!!丹波篠山の山城~」が市民センターで開かれた。城郭研究家の高橋成計さんによる基調講演と、丹波戦国史研究家の田中豊茂さんと高橋さんによるトークセッション、市内で山城整備を行っている3グループによるパネルディスカッションがあり、山城に興味を持つ市内外の約200人が集まった。
パネルディスカッションは、「高城山へ登ろう会」幹事の山口喜昭さん、「辻を知ろう歩こう会」世話人の津田博利さん、一般財団法人・大山振興会理事長の伊勢隆雄さんがパネリストを務めた。
山口さんは、12年前に同会を結成し、八上城跡のある高城山で毎年5月4日に山登りのイベントを行うなどしている。
津田さんは、20年前に同会を立ち上げ、辻集落にある淀山城、東山城、南山城の整備を続けている。
伊勢さんは、鐘ヶ坂峠の金山城の整備を行い、同城と黒井城、八上城をのろしでつなぐイベントも行った。
これから山城整備を行う地域へのアドバイスを聞かれ、山口さんは「1人ではできない。地域の人たちの協力が一番大事」、津田さんは「個人所有の山に手を入れるときは、事前に承諾を得て木を切った」と助言。伊勢さんは「大山地区の場合は、振興会の持ち山が多く、整備がしやすかった。これからも振興会を中心にやっていければ」と話していた。
同市は今年1月、山城のある市内10地域のまちづくり協議会で「山城ネットワーク」を立ち上げており、情報共有などを行っていく予定。田中さんは「ネットワークをきっかけに、山城がより身近な存在になっていけば」と期待を述べた。