最後の桜まつりに 30年以上の歴史に幕 主催団体「精一杯盛り上げたい」

2025.03.29
丹波市地域地域歴史注目自然

近く開花を迎えるサクラの木をバックに、最後となる「水分れ桜まつり」への来場を呼びかける幸畑部長(左)ら実行委員=兵庫県丹波市氷上町石生で

兵庫県丹波市の水分れ公園に咲くサクラのもとで楽しむイベント「水分れ桜まつり」(ひかみ東商工倶楽部主催)が30日午前10時―午後4時、同公園で開かれる。30年以上にわたって地域を盛り上げてきた催しだが、主催団体の同倶楽部が部員数減少などを理由に解散の方向で調整しており、長い歴史に幕を下ろす。幸畑孫部長(39)は、「最後のまつりになるが、精いっぱい、盛り上げられるように頑張りたい」と話し、来場を呼びかけている。少雨決行。

唐揚げやいちご大福、串焼きなど9つの飲食ブースが並ぶ。射的や遊具などの子ども向けコーナー、先日デビューしたバーチャルユーチューバー(Vチューバー)の「あいさきちぃ。」のPRブースなどもある。

ステージは、ダンスの「T―city crew」、よさこいの「楽空間」「一心貫」が出演。ペア旅行券や折り畳み自転車など豪華景品が当たる餅まきは、午前11時半―正午、午後2時半―3時の間で計2回行う。

同倶楽部は、旧氷上町商工会青年部東支部の流れをくむ。これまで地元の活性化に寄与することを目的に同まつりを主催。防除、補植など桜の維持、水分れまつりへの参加などの事業に取り組んできた。3密の回避でイベントなどができなかった新型コロナ禍は、地元の東小学校の児童にノートや消しゴムなどを進呈する事業も実施した。

幸畑部長によると、現在のメンバーは12人と少人数。同地区周辺の会社経営者や、その後継ぎを入部の対象としているほか、45歳で卒業するルールで運営している。近年は新たな入部が見込めず、コロナ禍が追い打ちをかけ、新たな事業展開に向けた会議を重ねにくい状況が今に至っており、桜まつりの継続も難しいと判断。解散する方向で調整している。

具体的な動きはないものの、今後、祭りを引き継いでくれるグループが立ち上がることを期待しているという。幸畑部長は「入部に条件などを設けず、熱意ある人たちによる会ができれば」と話している。

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