
塚本文則さん
“現代版”作り「鎧は個性」
手作りとは思えないボール紙製の甲冑を身に着け、国指定史跡・黒井城跡にまつわるイベントを中心に丹波市をPRする「黒井城甲冑隊」のメンバーで、甲冑の修理を一手に引き受けている。傷みが出てきた部分を直す一方で、より作りやすくて軽いかぶとの制作を楽しんでおり、作業用ヘルメットを利用し、頭のサイズに合わせて調節できるアジャスターを搭載した“現代版かぶと”も作っている。
同城跡のおひざ元、春日町黒井では、恒例の催し「黒井城まつり」で武者行列を行おうと、1995年に有志団体「保月会」を組織し、甲冑作りに励んだ。父の節次さんも名を連ねていたため、自宅には手作り甲冑があった。
甲冑と深く関わりを持つことになったのは、2019年、同城跡でのイベント「ようこそ御茶の国丹波へ」(黒井城跡地域活性化委員会主催)。手作り甲冑を着て茶を飲む趣向が予定され、甲冑の新作が急務だった。「関係者から『家に甲冑があるんやから、作れるやろ』と無茶ぶりされた」と笑うが、父が作った甲冑を参考に、見よう見まねで仕上げた。「本当は世界史の方が好きなんやけどね」とも。
修理をして感じるのは、部品同士をつなぐひもを通す穴が計9000個ほど開けられている甲冑もあり、制作に携わった人の熱量に驚きを感じている。ただ、当時の甲冑はより見栄えがする室町時代風の甲冑のため、同城主の赤井(荻野)直正が活躍した戦国時代の「当世具足」風にリメイクしたい思いも持っている。
「鎧は個性」が持論。「作る人の器用さだけでなく、性格が出る」。春以降、大阪・関西万博関連を含む多くのイベントに、同甲冑隊として出演を控える。70歳。