中止か継続か 判断分かれるイルミネーション

2011.11.27
ニュース

 丹波市内でも冬の風物詩となったイルミネーション。 今年は東日本大震災に伴う電力不足が心配され、 節電が求められていることから、 中止する団体が出始めている。 一方で、 「こんな時こそ、 地域に活力を」 と継続するグループもある。

 山南町工業団地 (山南町きらら通) 内の8社でつくる同団地連絡協議会 (大地但会長) は、 今年で10回目となるはずだった電飾の中止を決めた。 本社からの節電目標に関する通達を受け、 中止に賛成する企業が多かった。

 例年、 12月上旬から、 各企業がそれぞれの敷地内を彩り、 計約6万個の明かりを灯していた。 大地会長は、 「こんな時こそ、 という思いもあるが、 会社の意向を無視できない事情もあるので」 と複雑な心境のよう。

 自宅に取り付けた16万個もの電飾で、 多くの人を楽しませてきた 「大森夢ナリエ」 の大森栄司さん (42) =氷上町谷村=ら家族も早々に中止を決めた。 飾り付けを9月から始めないと間に合わない事情もあり、 家族会議の結果、 「節電に協力しよう」 と話がまとまった。

 大森さんは、 「他の動きが分からなかった。 今なら 『元気を出そう』 という考え方もできるかもしれないが、 9月の時点では、 節電に協力すべきではと考えた」 と話す。

 一方、 氷上町葛野地区の若手でつくる 「かどのASC」 は、 東日本大震災で暗くなった日本を明るく照らそうという願いを込めて、 イルミネーションを例年より派手に飾った。 メンバーの足立善弘さん (33) は、 「節電のことも話題にあがったが、 前向きにいこうという意見が多かった」 という。

 春日町柚津の道路に面した15件ほどがイルミネーション通りをつくる 「柚津ナリエ」 も予定通り行う予定。 村上康充実行委員長は 「個人的には元気を見せたいと思うが、 話し合いたい」 としている。

 クリスマスツリー用のモール (枝葉に見せる部分) を製造している高見造花店 (市島町上牧) では、 注文が寄せられる時期が例年より1カ月ほど遅く、 納期に間に合わないと断ったケースもあったという。 高見豊社長は、 「百貨店などがギリギリまで悩んでいたようだ。 ただ、 結局、 やめたというところはなかったと聞いている」 と話す。

 電飾などを取り扱っているコーナン商事氷上ゆめタウン店では、 「今のところはなんとも言えないが、 節電を気にしてLEDやソーラーのものが選ばれる傾向は感じる」 と話している。

 

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