図書の盗難 後を絶たず「モラルある利用を」 篠山市立中央図書館

2012.06.24
ニュース

 篠山市立中央図書館 (篠山市西吹) の蔵書が盗難などで行方不明となるケースが後を絶たない。 同図書館がオープンした2003年4月から、 昨年度末までの 「不明本」 の累計冊数は3888冊にもなる。 同図書館では、 防犯カメラの設置や職員の巡視など、 盗難防止にさまざまな対策を講じているが、 一昨年度が499冊、 昨年度は401冊と、 被害は続いている。

 6月15日現在、 同図書館の蔵書冊数は、 中央図書館で13万5045冊、 篠山市民センター (同市黒岡) 内の図書コーナーで3万3515冊の計16万8560冊ある。

 不明本はオープン初年度から発生 (482冊) しており、 被害の大きかった07年度には665冊にものぼった。

 同図書館では 「一般書」 「児童書」 「ヤングアダルト」 の3つのカテゴリに大別して本を管理。 最も被害に遭っているのが、 一般書の中の▽技術 (建築、 電気など) ▽産業 (農業、 園芸、 観光など) ▽芸術 (写真、 彫刻、 音楽、 スポーツなど) ―に関する本で、 中には1点で2万円近くもする住宅地図もなくなっているという。 中央図書館と市民センターの不明本の比率は、 およそ5対1の割合 (昨年度末)。

 同図書館では、 蔵書の盗難を含めた防犯への取り組みとして、 05年に防犯カメラを4台設置し、 監視と録画を行っている。 また、 館内における大声での談笑や飲食などのマナー違反の防止も含め、 職員が平日に5回、 利用者の多い休日には7回の巡視を実施している。

 同図書館の赤松一也館長は、 「軽い気持ちで盗んでいるかもしれないが、 本は税金で購入しているもので、 みんなの財産。 利用の仕方も含めて、 モラルある行動をお願いしたい」 と呼び掛けている。 

写真・盗難を含めた防犯対策として図書館内に設置されている防犯カメラ

 

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