デカンショ節“DNA”継承 鳳鳴高生徒が囃子方練習

2013.05.26
ニュース丹波篠山市

 篠山鳳鳴高校 (明山修校長) の生徒たちが、 地域が誇る伝統民謡 「デカンショ節」 の囃子 (はやし) 方となるべく楽器の技術習得に励んでいる。 そもそもデカンショ節を全国に広めたのは同校の前身である 「鳳鳴義塾」 の若者たち。 鳳鳴高生として代々受け継がれてきたデカンショのDNAを見つめ直し、 習得したデカンショ節でもって地域貢献したい考えだ。

 同校では昨年度から 「デカンショ節を習得することで伝統の継承と地域おこしの一端を担いたい」 と、 ▽三味線▽篠笛▽尺八▽太鼓―と囃子に使用する道具一式を購入。 費用は県や同窓会から助成を受けた。

 昨年度は生徒会や合唱部が、 今年はボランティアなどを行っているインターアクト部が中心となり、 「デカンショ節囃子方講習会」 を開催。 本物の技術を学ぼうと、 デカンショ節保存会のメンバーを講師に招き、 演奏の習得に励んでいる。

 22日には今年度1回目の講習会が開かれ、 保存会メンバー5人が来校。 インターアクト部の1、 2年生14人に楽器の使い方やデカンショの囃子を手ほどきした。

 生徒らは保存会メンバーの模範演奏に感嘆の声を上げた後、 各楽器に分かれて練習を開始。 慣れない楽器に悪戦苦闘しながらも、 のみ込みの早い生徒もおり、 さっそく聞き慣れたデカンショの調べを響かせていた。

 マスター後は、 11月に行われる同窓会行事で披露するほか、 インターアクト部の活動として普段から訪れている幼稚園や福祉施設などで演奏する予定。

 歌い手として立候補し、 指導を受けた志儀知明君 (1年) は、 「祭りに行って自分が口ずさんでいるのと全く違ってとても難しい。 がんばって自分のものにしたいし、 いつかデカンショ祭のやぐらの上で歌えたら」 と意気込んでいた。

 保存会メンバーでデカンショバンドの指導者代表でもある山田良一さんは、 「難しいとは思うけれど、 民謡は体で覚えていくもの。 高校生たちが取り組んでくれることでデカンショが広がるきっかけができ、 とてもありがたい」 と笑顔。 明山校長は、 「技術の伝承だけでなく、 あらためてデカンショのすばらしさを感じて、 地元をいいところだと思ってくれれば」 と期待している。

 

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