中学2年生の職業体験 「トライやる・ウィーク」 で篠山中の荒山直斗君が丹波新聞に入社。 テーマを決めた取材やレイアウトに挑戦した。
生まれ育った地域を離れ、 違う地域に住むIターン。 なぜ篠山のような田舎にターンするのか疑問に思い、 取材した。
篠山市役所にある 「篠山に住もう帰ろう室」 によると、 平成11年では転出者1421人に対して転入者は1845人だったが、 15年には転入者1205人、 転出者1315人となり、 この年を境に転入者が転出者を下回った。 ただ、 同部署は 「昔は家を求めての転入者が多かったが、 今は何かしらやりたいことや思いがある人が多い」 と話す。
移住希望の相談を受けている 「篠山暮らし案内所」 の大對信文さんによると、 田舎暮らしがしたい団塊の世代が多く、 レストラン経営や芸術活動をする人もいるという。
案内所には現在、 約90人が移住希望の登録をしているが、 すぐに入居できる物件は3件しかない。 空き家はあっても、 手放す人が少なく、 今後、 より多くの人に物件を紹介できる仕組み作りを進めていくという。
では実際に移住した人はどのような思いを持っているのか。
篠山市本郷に住む廣岡和哉さん (32)。 東日本大震災を機に、 福島県福島市から移住した。 「子供の時は田舎が嫌いでした。 でも、 結婚して子どもができて、 気持ちが変わりました」。 知人を介して篠山を知り、 一目で住むことに決めた。
「篠山は気候が良く、 子どもと一緒に泥だらけになるのが幸せです」 と言い、 同じように被災して移住した人のネットワークづくりを目指している。
神戸市から篠山市北にIターンし、 農業に励む酒井裕行さん。 大学卒業後、 母の実家である篠山市でアルバイトを始めた。 そんな時、 農業に取り組む人を見て関心を持った。 母の実家には、 田んぼや畑などがあり、 農業を始める環境がそろっていた。
地元農家に弟子入りして2年前に独立。 農薬を使わない 「めぶき農房」 を構えた。 米は都市部の住民に直接販売。 手塩にかけた野菜はレストランに卸している。 「都会と違って静かで風も涼しいし、 良い野菜ができる」 と篠山の魅力を語った。
2人ともただ引っ越してきたのではなく、 篠山での暮らしに明確なビジョンがあった。
酒井隆明市長は、 「これからは篠山の時代。Iターンした人にもまちづくりを担ってもらえれば」 と話していた。
◎新聞づくりは達成感がある
取材しながらメモを書くのは難しく、 会話もどんどん進んでいくので大変でした。 レイアウトは書いては消しての繰り返しでしたが完成した時は達成感がありました。 仕事は大変なこともあるけど楽しいこともあるとわかりました。 この経験を学校生活や社会に出た時に生かしていきたいです。 Iターンを取材した感想は、 田舎も見方を変えれば良いところがたくさんあると知りました。