篠山鳳鳴高校 (明山修校長) の放送部が7月25日まで東京都で開かれた 「第60回NHK杯全国高校放送コンテスト」 の創作ラジオドラマ部門に出場。 学校現場と携帯電話を題材に現代社会に鋭く迫ったオリジナル作品で、 見事準優勝に輝いた。 全国出展総数735点からの栄誉。 「放送部の聖地」 と呼ばれるNHKホールで、 同校初の快挙を成し遂げた部員らは、 喜びながらも、 「優勝を目指していたので悔しい。 でも、 この経験が次代の原動力になれば」 と前を向いた。
架空の高校を舞台にした約8分間の作品は 「極面 (きょくめん) 教師」。 タイトルには 「究極で極端な反面教師」 という意味を持たせている。
生徒たちが校内で携帯電話を使う姿を見た教師が、 あえて自分が授業中に携帯電話を使用することで反面教師になる。 教師の姿に不満を持った生徒たちは携帯電話の使用をやめるが、 いつのまにか教師が携帯依存症になってしまう。 その裏にはあるプロジェクトがあり―というストーリー。
10人の部員が生徒役や教師役、 編集などを担当。 大会規定の 「高校生活や地域社会とのかかわりの中で広く素材を集め、 ラジオの特性を生かす」 を守りながら、 しっかり風刺とユーモアを織り交ぜた作品に仕上げた。
作品は6月に行われた県大会で92作品の中から準優勝に輝き、 全国へ。 各都道府県代表作品97点と内容を競い合った。
23、 24日に準々決勝、 準決勝が行われ、 最終25日の朝に決勝に進出する3点が決定。 スクリーンに 「篠山鳳鳴」 の文字が映し出されると、 生徒たちは喜びを爆発させた。
惜しくも2位に甘んじたものの、 審査員からは、 「表現が良かった」 「メッセージがストレートに伝わった」 と評価された。
同校放送部は昨年も当時3年生だった福井万季子さんがアナウンス部門で全国ベスト10入り。 今年は、 「みんなで全国大会へ」 と、 ラジオドラマ部門にエントリーした。
監督と脚本を務めた中西聖也君 (3年) は、 「たくさんの人に、 自分が携帯電話に依存していないか生活を見直してほしかった」 と語り、 「自信があったので2位は悔しいけれど、 やっぱりうれしい」 。 主役の風紀委員長役を務めた松井由希乃さん (同) は、 「準優勝だけれど、 私たちにとっては一番の作品です」 とほほ笑む。
10人中7人を占める3年生は今大会で引退し、 有終の美を飾った。 部長の小倉加奈子さん (3年) は、 「チームワークの良さが鳳鳴放送部の強み。 後輩たちには大会での経験を受け継いでほしい」 とエールを送っていた。
顧問の西本智子教諭は、 「部員みんなが力を合わせてつくった作品。 みんなのすべての力が生きていた」 と共に快挙を喜んでいた。
大会の様子は8月16日午前9―10時、 FM・NHKで放送される予定。