柏原高校で20余年、 美術部の顧問を務めた元教諭で彫刻家、 関口寛治さん (77) =篠山市西野々=の 「喜寿記念彫刻展」 が11月20日から植野記念美術館 (丹波市氷上町西中) で開かれる。 美術部の教え子たちが実行委員会 (奥野隆之実行委員長) を作り、 準備を進めている。 「十分な教師ではなかったのに、 教え子たちが個展を開いてくれる。 ありがたいかぎり」 と喜んでいる。 会期は24日まで。 入場無料。
関口さんは、 兵庫県文化賞を受けた彫刻家・初代磯尾柏里 (本名・健治) さんの四男。 2代目柏里 (健一) さんの弟で、 3代目柏里 (隆司) さんの叔父。 柏原高校、 京都教育大学卒。 結婚に伴い、 関口姓となった。
1961年から82年まで柏原高校で勤務。 美術部の教え子には、 一線で活躍している芸術家や美術教育関係者らが多くいる。 大学在学中の59年に日展で初入選。 以来、 計20回の入選を重ねた。 67年には兵庫県展で知事賞を受賞した。 県 「ともしびの賞」 なども受賞。 元日展会友。
これまで本格的な個展を開いたことはなく、 教え子たちが 「美術の楽しさ、 厳しさを教えてくれた先生に恩返しを」 と、 喜寿の祝いを兼ねて作品展を企画した。 教え子13人で実行委員会を組織し、 会場の手配や図録、 DMの作成を進めた。 また、 開催費用として教え子や丹波地域の彫刻愛好家ら約60人から賛助金が寄せられた。
作品展には約40点を出展する。 体にバスタオルを巻いた風呂上りの女性の立像で、 日展入選作の 「布を巻く女」 をはじめ、 しゃがんだり、 振り向いたりと、 若い女性のさまざまな姿態を題材にした裸像、 初老や若い男性の彫塑、 習作などの小品、 木彫を出す。
関口さんは 「恥をさらすような思いもする作品展だが、 体が許す中でさらなる創作に挑むきっかけにしたい」 と話している。