電気機器製造業、 株式会社テクノワーク (篠山市味間北、 梶原康弘・代表取締役会長) がこのほど、 同市上筱見のささみ農場 (白石鉄夫農場長) で菌床の製造とシイタケ栽培事業を始めた。 菌床には篠山市内の里山整備で出た間伐材を利用。 機械的な温度調整をしない原木栽培に近い環境で栽培するほか、 使用済みの廃菌床を使った堆肥を製造し、 近隣農家に提供するなど、 環境にやさしい製造と循環型のシイタケ栽培を目指す。
旧百萬石酒造丹波工場の跡地を利用。 工場2棟で菌床を製造している。 「丹波篠山木の駅実行委員会」 (高橋隆治代表) が推進している間伐促進事業で出た広葉樹などを製材し、 さらに細かくオガ粉にし、 ふすまと消石灰、 水を混ぜ、 種菌を植えて菌床をつくる。 工場から少し離れた山林内に栽培ハウス6棟を新設した。
同社は、 国内で初めて有機JASの認定を受けたシイタケ栽培をしているハルカインターナショナル (岐阜県) の技術指導を受けている。 栽培ハウスには空調設備を設置せず、 多層構造や遮光、 ハウス施設への散水などで一定の室温を保つほか、 ハウスの床をすべてコンクリートにしない、 酒造りで使われていた地下水によるかん水など、 できるだけ自然に近い栽培方法を取り入れている。
また、 冬季は間伐材を燃やした熱でハウス内を温める。 同社によると、 この原木に近い環境で栽培することで、 肉厚で高品質なシイタケが栽培できるという。 このほか、 夏場は、 ハウス周辺の冷涼な環境を生かし、 キクラゲも栽培する計画。
現在、 社員は14人。 本格稼働時には35人体制にする。 本格稼働時には、 菌床製造が年間約66万本、 そのうち栽培農家らへの販売は年間約44万本を予定。 シイタケ生産は年間180トン、 計約2億8600万円の売上を見込む。
「丹波篠山産生しいたけ」 の商品名で、 直売所 「めぐみの郷」 (味間新)、 道の駅 「但馬のまほろば」 (朝来市)、 神戸市須磨区の直売所で販売している。 また、 24日午前11時から開設披露式典を行う。