中井一統の業績紹介 1月31日、「顕彰会」発足

2014.01.09
ニュース丹波市

  「中井権 (言) 次」 の名で北近畿一帯で社寺の装飾彫刻を手がけた柏原の名工、 中井一統の業績を広く紹介し、 作品を地域の文化的資源として大切にしていこうと、 1月31日に 「中井権次顕彰会」 が発足する。 同日午後1時半から丹波新聞社 (丹波市柏原町柏原) で発足総会を開く。 発起人による顕彰会の準備会では、 ゆかりの地のマップ作成、 案内板設置などの案が出ており、 「四国八十八カ所めぐりのようなルートができれば、 観光客を呼び込める」 と、 事業内容を検討している。 辻重五郎丹波市長にもこのほど、 顕彰会の活動支援を求める要望書を提出した。

 

 中井一統について研究する岸名経夫さん (丹波市柏原町柏原) ら元高校教諭の同僚3人は、 一昨年から丹波市や篠山市、 但馬、 北播磨、 京都府北部などの神社・寺院を巡り、 彫刻を写真におさめるなど、 年代や特色について研究を続けている。 講演や丹波新聞の連載などで、 地域への浸透もはかっている。 昨年には、 東京の日貿出版社から作品を掲載した写真集も発刊されるなど、 全国的に知名度がアップした。

 岸名さんが昨年11月、 北近畿みらい塾で、 中井権次の作品についてこれまでの研究成果を踏まえて講演したところ、 多くの来場者で関心が高かったこともあり、 元綾部市長の四方八洲男NPO法人北近畿みらい理事長 (綾部市) と岸名さんが、 温めていた計画を具体化。 「多くの人たちに作品鑑賞の機会を」 と顕彰会発足を準備し、 賛同する人たちに呼びかけた。

 発起人は丹波市、 西脇市、 綾部市、 福知山市、 宮津市在住の11人。 発起人代表に千種正裕・柏原八幡神社宮司 (丹波市柏原町柏原) を選んだ。 千種代表は、 「八幡神社には中井一統の作品をすべての各代にわたって保存している。 柏原がルーツでもある。 顕彰会発足を機会に、 一統の作品が広く世に出て大勢の人の目に触れるようになれば、 地域が活気づくのではないか」 と話している。 四方北近畿みらい理事長は 「中井一統の作品は、 地域の大きな財産。 作品を通じ、 兵庫県と京都府の連携をはかり、 北近畿内の住民交流が活発化すれば」 と期待している。

 発起人の連名で、 関係する社寺や関心を持つ人に顕彰会の加入や総会の参加を呼び掛ける趣意書も発送した。 丹波市の要望には、 活動支援のほか、 今年の市制10周年の記念事業のなかに、 顕彰会の事業を取り上げてもらいたいといった内容を盛り込んだ。

 発起人は次のみなさん。

 ▽代表=千種正裕 (柏原) ▽副代表=岸名経夫 (同) ▽発起人=進藤凱紀 (氷上) 村上和謙 (西脇) 小田晋作 (柏原) 北川敏彦 (同) 八木甫瑳子 (氷上) 小寺昌樹 (青垣) ▽顧問=四方八洲男 (綾部市、 北近畿みらい理事長) 宮垣幸光 (福知山市、 北近畿みらい副理事長) 中井光夫 (宮津市、 中井家11代当主)

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