避難の母の祈り知って 篠山市中央図書館で写真展 福島から篠山へ移住の家族企画

2014.01.19
ニュース丹波篠山市

 福島第一原発事故による放射能被害を受け、 福島県から篠山市内に避難移住している家族らが26日まで、 篠山市立中央図書館 (西吹) で、 同じく各地で避難生活を送る母子の様子を撮影した写真展 「100人の母たち」 を開いている。 写し出された母子たちの笑顔だけを見れば、 普通のポートレート。 しかし、 添えられたメッセージからは避難の現状や、 子どもたちの未来を守る母親の強い決意が垣間見える。 家族らは、 「原発の話題にはどうしても、 つらさや大変さというマイナスイメージがつきまとう。 でも、 写真の母親たちを通して、 勇気や未来を守るプラスのイメージを伝えられたら」 と話している。

 

 主催するのは、 篠山市内に移住した4家族などでつくる 「丹波篠山避難移住者ネットワーク 『こっからネット』」。 放射能被害に苦しむ人々への支援や、 放射能について学ぶ機会を創出することを目的に活動している篠山、 丹波両市の団体が共催している。

 写真は写真家の亀山ののこさんが撮影したもので、 作品展と同じタイトルの写真集 (南方新社) から20枚を選出。 「いのちを守りたい。 そのためには、 もう原発はいらないという意思表明をした母たちの祈りの写真展です」 などという亀山さんからのメッセージも添えた。

 避難者の現状発信や、 避難者同士のつながりをつくる活動を行っている 「こっからネット」 は、 昨年、 写真集と各地で開かれている写真展の存在を知り、 多くの人に知ってもらいたいと、 丹波地域での開催を計画した。

 代表の廣岡和哉さん (32) =篠山市本郷=は、 「写真やメッセージを見てもらって、 何か一つでもいいので感じてもらえたら」。 また、 阪神淡路大震災から19年目ということもあり、 「あの時、 東北の自分たちは阪神のことをどこか遠いところの話だと思ってしまっていた。 その反省の意味も踏まえて17日から開催している。 たくさんの人に同じ日本で起きていることを知ってほしい」 と呼びかけている。

 写真展最終日となる26日午後2―4時には、 医学博士で放射線の危険などを訴える活動に取り組む振津かつみさんと、 「100人の母」 のモデルの一人でもある城真衣子さん、 篠山市原子力災害対策委員の玉山ともよさんらが、 それぞれの思いを語り、 会場との質疑応答を行う講演会も予定している。 参加無料。

 

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