東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県南三陸町に職員を派遣している篠山市は、 新年度も継続して職員を派遣することを決めた。 同町では震災による津波で町の中心地域が壊滅。 さまざまな復興事業を展開している中で今年度、 篠山市からも職員1人を派遣し、 港湾整備などの事業に取り組んでいる。 酒井隆明市長は、 「目に見える形での復興はまだこれから。 職員派遣を通して継続的な支援に取り組んでいきたい」 と話している。
昨年4月1日から、 市の職員1人を同町に派遣。 建設課に所属し、 漁港の整備事業に携わっている。 3月末までに新年度の派遣職員の希望者を募り、 4月1日から同町に勤務する予定。
現在、 同町には全国各地の都道府県、 市町村などから応援の職員が勤務。 約300人の職員のうち、 町外職員が93人を占めている。
同町では2011年3月11日の震災で、 市街地の大半が壊滅。 人口約1万7000人のまちで死者・行方不明者合わせて約800人を数えた。
その後、 津波で壊滅した地域の集団移転事業や災害復興住宅の整備、 主要産業である漁業の復興のための港湾整備など、 山積する課題に取り組んでいるが、 マンパワー不足のため、 要となる用地買収交渉などが進んでいなかった。
震災直後も町外からの応援職員が罹災証明書の発行などに従事。 その後の復興事業を展開する中で、 全国の自治体が職員派遣を通した支援活動を行っている。
20日には同町の佐藤仁町長が、 派遣人数の多い兵庫県の自治体に謝辞を述べるため、 県内を訪問。 篠山市役所も訪れ、 酒井市長らと懇談した。
復興住宅や高台への移転などさまざまな事業が軌道に乗り始めていることを説明した佐藤町長は、 「篠山市からは職員を派遣して頂いているほか、 市民のみなさんもボランティアに訪れてもらっており、 とても感謝している」 と謝辞。 「3年たってやっと復興への助走期間が終わった。 本格的な復興に向けて、 取り組んでいくので、 見守り続けてもらいたい」 と話した。
また同町の児童たちと交流・支援事業に取り組んでいる城東小学校 (日置) にも触れ、 西家幸男・同校PTA会長らに 「子どもたちの交流は元気の源」 と感謝していた。
酒井市長は、 「南三陸については、 篠山市民の間でも関心が高く、 市民ボランティアもたくさん訪れてもらっている。 わずかではあるが、 これからも支援を続けていきたい」 と話していた。