「ありがとう 乳牛」酪農部門を廃止へ 氷上高校

2014.02.06
ニュース丹波市

 氷上高校が新年度から、 教育課程の見直しにより、 畜産専攻の中核を担ってきた 「酪農部門」 を廃止する。 1月31日には、 飼育してきた6頭の乳牛との別れを前に家畜を慰霊する 「畜魂祭」 を開いた。 6頭の乳牛は、 1日の搾乳を最後に、 地元の酪農家などに引き取られた。

 これまで営農科では、 2年次に畜産専攻と園芸専攻に分かれ、 畜産専攻の生徒が酪農を学んできたが、 「幅広い学習を」 という思いから、 教育カリキュラムを見直すことにした。 新年度からはコースを分けず、 同科の生徒全員が畜産と果樹を学ぶことにし、 それに伴い酪農部門を廃止した。

 生活科は、 これまで総合実習科目の中で畜産の学習も行ってきたが、 新年度からは畜産の授業を行わず、 草花、 施設野菜、 食物、 福祉の科目を柱に据え、 より専門性の高い学習を行う。

 畜魂祭には、 「畜魂碑」 の前に営農科1―3年生の約120人と教職員ら約20人が参列した。 生徒代表の足立翔希君 (3年) が、 「乳牛の飼育が、 自分たちの代で終わってしまうのは悲しいことだが、 牛舎で教わったことは自分の人生に役立つと思う。 家畜の授業をさせてくれた乳牛たちに感謝の気持ちでいっぱい」 とあいさつした。 その後、 安積俊之教頭、 堂阪博文農業部長とともに畜魂碑に献花し、 全員で黙とうをささげた。

 乳牛との別れについて、 同科の阿部夏希君 (3年) は 「乳牛の飼育を通じて、 命の大切さなどを学んできた。 それが途絶えてしまうのはさみしい」 と感慨深げに話した。

 同校での乳牛の飼育は、 篠山農業高校氷上分校だった1961年に始まり、 53年間続いた。 飼育頭数が少ないことを生かし、 徹底した衛生管理で搾った乳を業者に出荷していた。 豚やブロイラー、 肉牛の飼育は続ける。

 

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