緩和ケア病棟を新設 県立柏原に20個室 丹波、北播、中丹で初 

2014.02.20
ニュース丹波市

 県立柏原病院 (秋田穂束院長、 がん相談支援センター0795・72・0524) が4月から、 緩和ケア病棟を新設する。 全室個室で20室。 自宅で最期を迎えたいが、 症状が不安定、 介護者が不足しているなどの理由で、 自宅で療養が難しくなったがん患者に 「自宅で過ごしているような環境」 を提供する。 丹波地域で初めて。 北播、 福知山市を含む京都府中丹地域にもなく、 広くがん患者の受け皿になりそうだ。

 

 5階北病棟を改築し、 病室のほか、 家族控え室、 談話室、 面談室、 患者専用の台所を設ける。

 同病院では、 内科の板倉崇泰医師 (40) を中心に、 緩和ケア病床を開設しているが、 他科と混合病床という課題があった。

 4月からは1つの病棟全体を緩和ケア病棟にすることで、 患者と家族のプライバシーがより守られ、 療養スペースも広くなるなど、 環境が改善する。 また、 診療報酬で緩和ケア病棟入院料が算定できるようになり、 病院経営にも貢献する。

 同病棟の開設には、 病室の面積や、 看護体制など、 ハードとソフトの両面で厚労省が定めた施設基準を満たすことが必要。

 ▽治療が終わり、 これ以上、 抗がん剤治療はできない▽他の医療機関で治療を受けていたが、 あとは地元の病院でみてもらうように言われた―など、 様々なケースのがん患者が行き場をなくさないようフォロー。 緩和ケア医師、 看護師ら多職種が連携し、 痛みを取るなど体のつらさと、 心のつらさを和らげる治療とケアを提供する。

 2012年度で緩和ケア病棟を持つ病院は県内に13。 13年度に4病院が認可された。 現時点で、 丹波から近いのは、 公立八鹿 (養父市)、 神戸アドベンチスト (神戸市北区) の両病院。

 丹波地域でがん (悪性新生物) で亡くなる人が、 年間320―390人ある。

 

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