丹波市は、 総額601億9330万円 (前年度比3・4%増) の新年度当初予算案を、 25日開会の市議会定例会に提案した。 一般会計は365億円 (前年度比0・8%増) で、 過去最大規模。 さらに国からの補正、 総額46億円を今年度の補正予算に計上。 関係する事業をそのまま繰越事業として当初予算と一体的に行う。 特別会計 (10会計の合計) は194億2930万円 (同3・5%増)、 公営企業会計は42億6400万円 (同31・6%増)。
【歳入】
家計の 「給料」 にあたる市税は1%増 (同) とほぼ横ばい。「その他」(分担金、使用料など)をあわせても全体の約26%。
一方、 「親世帯からの援助」 にあたる地方交付税は1・2%増 (同)、 地方譲与税や交付金も8・7%の伸び (同) を見込む。 児童手当や保育所運営費負担金などの国県支出金も6・1%の増加。 「借金」 にあたる市債は、 前年度より11・3%減るものの、 歳入全体の67%を 「援助」 や 「借金」 に頼っている状況。 「預金からの取り崩し」 にあたる繰入金は22・4% (同) 増やす。
【歳出】
職員の人件費は1・5% (同) 減額するが、 委託料の増額などで物件費が5・1%増 (同)、 障がい福祉サービス費やこども医療費の増額で扶助費も1・3%増 (同)、 後期高齢者医療に関係する負担金や認定こども園への補助などの補助費も7・4%増える (同) など、 家計の 「食費」 や 「医療費」 「光熱水費」 にあたる、 どうしても必要なお金の割合が増えている。 「ローンの返済」 (公債費) も含めると、 収入の72・5%はすでに使い道が決まっている。
残るお金で 「家の増改築」 (投資的経費) や 「子どもへの仕送り」 (繰出金) をやりくりする。 投資的経費は9%の減 (同)。 幼保一元化事業に約21億円、 道路整備に約6億円 (国庫交付金、 市単独含む)、 学校のパソコン更新に約3億円を使うなどする。
目的別にみると、 全体に占める割合は、 民生費31・5% (114億9151万円)、 公債費15・8% (57億7251万円)、 教育費11・5% (41億9228万円)、 総務費9・7% (35億4421万円)、 土木費9・5% (34億5580万円)、 衛生費9・4% (34億1359万円) ―など。
◆ごみ処理施設に38億円を充当
国の補正予算に伴う46億1398万円のうち、 38億3441万円を一般廃棄物処理施設 (丹波市クリーンセンター) の本体工事に充当する。 新年度の完成をめざす。 このほか、 ▽丹波竜活用事業 (1億4840万円) =老朽化の広田橋の架け替え工事など▽小学校施設整備事業 (5億1214万円) =小川小体育館、 春日部小南校舎、 吉見小校舎の大規模改造など▽学校施設非構造部材の耐震化 (9000万円) =小学校9校で体育館の天井材の落下防止対策―など。
◆市民1人あたり 借金50万円、貯金23万円
財政構造の弾力性 (ゆとり) を示す経常収支比率は92・2%で0・7ポイント改善 (同)。 2012年度の県平均は90・9%。 また、 実質公債費比率 (実質的な借金返済の割合) は、 繰上償還の実施による市債償還費の増加抑制で1・7ポイント改善 (同) し、 8・0%を見込んでいる。
市債残高 (市の借金) は、 全会計の合計で804億円を見込み、 市民1人あたりでは50万円。 基金残高 (市の貯金) は143億円で、 市民1人あたり23万円となる。