地球温暖化の防止や自動車の排気ガスによる大気汚染の低減を図るため、 電気自動車の普及を進めている県はこのほど、 丹波並木道中央公園 (篠山市西古佐) など県立施設5カ所に急速充電器を設置し、 一般利用を開始した。 1回45分間の充電で8割程度の充電が可能で、 当面の間、 無料で提供するという。 これまでにも、 2009年から11年にかけて県内に充電器を6基整備しており、 今回の整備で計11基となった。 今後も電気自動車の登録台数の多い地域を重点に充電器の設置を進め、 今年度中にさらに17基増やすことを計画している。
県によると、 昨年12月末現在、 県内の電気自動車の登録台数は約2200台。 県内における県、 民間を合わせた充電器の設置数は昨年3月末時点で、 急速が66基、 普通が181基。 そのうち篠山市内は普通のみの2基、 丹波市内は急速2基、 普通が8基という。
国は昨年3月から、 充電器購入費と設置工事費の2分の1もしくは3分の2を助成する 「次世代自動車充電インフラ整備促進事業」 を展開しており、 県もこの流れに合わせて昨年6月に 「次世代自動車充電インフラ整備ビジョン」 を策定。 県内の設置数を民間のものと合わせて1200基にすることを目標にしている。
今月21日時点で県への充電器設置助成の申請件数は県全体で181基あり、 篠山市内では急速が並木道中央公園に設置した1基、 普通は2基。 丹波市内では急速の6基。 いずれも現時点で設置工事が完了したかどうかは把握できていないという。
電気自動車は、 フル充電の状態でも走れる距離が140キロ程度と短く、 充電器を増やすことが課題になっている。 昨年11月、 自動車メーカー4社が充電器設備の維持管理費を8年間負担するなど、 普及に向けた支援内容を決定。 これらを展開する組織を共同出資で設立する動きもある。
県水大気課 (078・362・3283)。
県が設置した5カ所の急速充電器の設置場所と利用可能時間、 09年から整備した6基の設置場所は次の通り。
▽丹波並木道中央公園=午前8時―午後4時半 (年末年始を除く)
▽伊丹庁舎 (伊丹市千僧) =午前9時―午後5時
▽姫路総合庁舎 (姫路市北条) =同
▽洲本総合庁舎 (洲本市塩屋) =同
▽加古川医療センター (加古川市神野町神野) =24時間
【6基の設置場所】
▽道の駅但馬楽座 (養父市上野)
▽道の駅フレッシュあさご (朝来市岩津)
▽フラワータウン立体駐車場 (三田市弥生が丘)
▽カメウチ電装・太子営業所 (揖保郡太子町阿曽)
▽夢舞台地下駐車場 (淡路市夢舞台)
▽淡路市役所 (同市生穂新島)
◆丹波市が4カ所設置 公用車に2台導入も 今年度
丹波市は今年度、 二酸化炭素 (CO2) 排出量の少ない低炭素社会の実現をめざし、 電気自動車の急速充電器を4基設置する。 場所は、 市本庁舎、 春日庁舎、 山南支所、 市島支所の各駐車場。 年内の設置完了をめざしており、 電気自動車所有者なら誰でも24時間利用できる。 事業費は、 約3300万円。
市地域新エネルギービジョンによると、 市内のCO2排出量のうち、 最も多いのが自動車によるもので、 全体の約5割を占めている。 同排出量の抑制効果と、 さらには電気自動車を利用している都市部の観光客やビジネスマンの誘客につなげる。
また、 市は、 公用車として電気自動車2台を導入する予定。 約610万円を予算化している。