屋外広告物条例施行へ 篠山市が7月1日から

2014.06.26
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 屋外広告物に関して篠山市独自の規制をかける 「篠山市屋外広告物条例」 が7月1日から施行される。 屋外広告に関しては、 県内の政令指定都市の神戸市や、 姫路、 尼崎、 西宮の各中核市以外の市町村で独自に条例を施行するのは篠山が第1号で、 田園風景など篠山らしい景観を守りながら、 適正な広告掲出に取り組みたい考え。 市は、 「市民のみなさんにも条例を知ってもらい、 よりよい景観と広告をつくっていきたい」 と呼びかけている。

 屋外広告物は、 常時または一定期間継続して公衆に表示される広告板など。 店の宣伝や誘導などのために設置される屋外広告は現在、 県の条例で規制されているが、 乱立を防ぎ、 篠山にふさわしいまちなみにするため、 独自の条例を設けた。

 条例では許可を受けることで広告物を表示できる 「許可地域」 と、 原則表示してはならない 「禁止地域」 を設定。 禁止地域は森林や国宝、 重要文化財に指定されている建造物の周囲、 河原町や福住の伝統的建造物群保存地区などで、 4種類の地域に分けている。

 また国道372号線沿いなど9カ所を 「田園沿道区域」 に指定。 原則、 自分の敷地外に直接地面に広告物を設置することなどを禁じた。

 設置できる広告物にも、 位置や形状、 面積、 色彩など、 「景観との調和」 のために多岐にわたる基準を設けている。

 市長による回収、 移転、 除却などに応じなかった場合や無許可で掲出したとき、 禁止地域に掲出したときなどには罰金もある。

 一方で、 これまでの県条例期間中においては適正であっても、 7月以降は適正でなくなる広告もあるため、 3―5年間の経過措置を設けており、 条例の規定に合うように改修や撤去を行う場合は、 費用の一部を補助する制度を設けた。

 制定には独自に屋外広告物に規制をかけられる 「景観行政団体」 となる必要があり、 市は2011年1月に同団体に指定。 今年3月に同条例を制定し、 7月の施行に向けて、 説明会や広報などで周知を図ってきた。

 今月17日には、 業務で広告物を掲出する機会のある市職員を対象に説明会を実施。 市まちづくり部景観室は、 「条例で、 『市は先導的な役割を果たす』 と掲げている」 と説明し、 条例の遵守を呼びかけた。

 梶村徳全同部長は、 「上質な屋外広告物を創出して、 景観を守っていきたい」 と話している。

 問い合わせは同景観室 (079・552・1118)。

 

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