第2回県立柏原病院と柏原赤十字病院の統合再編検討懇話会が10月22日、 丹波市柏原支所であり、 氷上工業団地 (5・15ヘクタール、 兵庫県丹波市氷上町石生) を2018年度中の開院を目指す新病院 (300床程度) の整備場所とすることや、 新病院の診療科を24か25とするなどの診療機能について提言した。 懇話会は2回で終了。 近く提言を踏まえた統合再編基本計画案を県民に示し、 意見を募った後、 年内に同計画を策定する。 会議は非公開で行われ、 終了後、 座長の邉見公雄県参与が会見した。
用地は、 先月の初回の会議で事務局が提案した▽現在の県立柏原 (6・08ヘクタール)、 柏原赤十字 (1・05ヘクタール) 両病院▽氷上工業団地▽JR柏原駅南 (2・36ヘクタール) の4案に、 地元自治会から用地提供の申し出があった春日町七日市を加え5案に。
前回、 最も高評価だった氷上工業団地に関し、 初回の会議で指摘された地盤の軟らかさと、 地下水にひ素が含まれている点について、 事務局が調査結果を報告。 地盤は、 深度25メートルより下位の層はよく締まっており、 建物を支持できる地層まで基礎杭を打つため、 建設に支障はないと回答。 ひ素の測定数値も、 水道水質基準 (1に0・01ミリグラム) をわずかながら上回っているが、 病院で地下水は飲用に使わないと回答した。
交通渋滞対策は、 市道、 県道、 国道について公安当局と話をするなど対策を考えるとし、 病院周辺の浸水対策は災害時の交通アクセスを考えることで、 委員の了解を得た。
七日市 (5・32ヘクタール) の評価は、 評価11項目のうち、 氷上工業団地と同様に 「×」 はないものの、 「JR駅へのアクセス」 「周辺の利便性」 「外来患者のアクセス」 の3要素が 「△」 評価。 「JR駅へのアクセス」 のみ 「△」 評価だった氷上工業団地より低かった。
邉見座長は、 七日市案は 「現在の県立と赤十字病院から遠く、 西脇市の病院の方がかえって近くなる患者が多くなる。 市外流出を食い止めることをクリアできない」 などと不採用の理由を述べ、 「長く議論して計画が遅れるといけないので、 予定通り今日決めた」 と話した。
同団地は1987年7月に整備完了。 総面積23・2ヘクタール。 工業用面積19・1ヘクタールのうち、 分譲済み面積13・9ヘクタール。 5・2ヘクタールが未分譲。 89年に鶴原製薬が土地取得して以降、 25年間残地が塩漬けになっていた。 兵庫みどり公社によると、 分譲価格は1平方あたり2万円で 「応相談」 という。
候補地評価シートによる他候補地の 「×」 評価の理由は次のとおり。
県立柏原病院 ▽面積=駐車場、 看護専門学校、 看護宿舎等の撤去が必要なことから、 現地建替は困難▽工事期間=建築工事に4―5年かかり、 工事に伴い減収期間が長期化、 2018年度開院が困難▽工事にかかる患者の影響=工事期間中は入院制限等が必要となる可能性が高い
柏原赤十字病院 ▽面積=面積が狭隘 (あい) なため、 新病院等の整備は不可能▽工事期間と工事にかかる患者への影響=県立柏原と同じ
柏原駅南 ▽面積=新病院自体の機能発揮には十分な面積の確保が可能だが、 関連施設、 看護学校等を併設する場合には不足が生じる