兵庫県内の陸上ホッケー運営を担う 「兵庫県ホッケー協会」 の所在地がこのほど、 篠山市に移転し、 協会運営の中心的な機能も篠山に移った。 県協会機能が移されたことにより、 県内のホッケーに関する行事なども篠山を中心に取り組むことになり、 全国大会などハイレベルな大会の誘致も可能になる。 2006年の兵庫国体を機に、 篠山に根付いたホッケー。 さまざまな世代で日本代表選手を輩出し、 選手や指導者の育成に取り組んできた篠山が、 名実ともに兵庫県のホッケーをけん引する形になる。
県協会では、 県内の選手や指導者、 審判などを統括し、 日本ホッケー協会や県外の協会との連絡・調整を担う。 また、 県大会などの開催、 インターハイや日本リーグなどの大会誘致、 国体チームの運営など、 ホッケーに関する普及活動全般に取り組む。
県協会は1949年に設立。 以後、 65年間、 神戸市に置かれ、 阪神間を中心にしたホッケーの振興に取り組んできた。 協会が神戸に置かれていた背景には、 古くから港町・神戸に多くの外国人が居留し、 母国のスポーツを楽しむ中で、 日本人にもホッケーが伝わった経緯がある。
一方、 篠山は 「のじぎく兵庫国体」 でホッケー会場となったことから、 一気に競技が普及。 篠山市ホッケー協会が立ち上がり、 ジュニアホッケークラブや市中学校ホッケー部が設立され、 全国大会優勝や日本代表選手を数多く輩出するなどしてきた。
現在、 阪神間では中高生や大学、 社会人など、 一定の年齢に達した競技者はいるが、 篠山では、 幼少の段階から選手の発掘、 育成、 強化と一貫した取り組みを展開している。
ただ県協会が神戸にあることから、 県直営の事業が篠山で行われることは少なかった。 たとえば、 市協会では指導者や審判などの育成にも取り組んできたが、 市でできることはあくまで研修にとどまり、 資格を取得する講座を主管することはできなかった。 しかし、 県協会所在地が篠山に移ったことにより、 篠山で資格取得の機会も創出できるようになる。
22日には役員改選が行われ、 篠山を中心とした人的配置となる見込み。
県協会事務局を務める市協会の岡花宏明さん (33) は、 「全国規模の大会を誘致することで、 地元の選手たちにも、 市民のみなさんにも、 よりホッケーを楽しんでもらえる機会が増やせるのでは。 また大会開催で交流人口を増やし、 まちの活性にもつなげたい」 と話す。
一方、 市内の高校にはホッケー部がなく、 高校進学後もホッケーを続ける選手は市外に出て活躍しているケースが多い。 岡花さんは、 「地元に残った高校生たちにも練習の機会をつくり出し、 高校の部活がなくても出場できる国体チームもある」 とする一方で、 「県協会としても、 選手の流出は課題ととらえており、 篠山が県ホッケーの中心地となるからには、 高校でのホッケーについても選手たちの意向を探りながら、 考えていきたい」 とした。