兵庫県篠山市宮田の職業訓練学校「篠山技能高等学院」(人見正美会長)の訓練コースの一つ、「曳家(ひきや)コース」の受講生たちがこのほど、同市魚屋町の古民家を移動させる「曳家」を現場実習した。同学院によると、同市で曳家の職人は10年ほど前までいたが、現在はおらず、昨今の古民家再生のニーズが高まる中で、曳家職人の人材養成に力を入れている。
曳家とは、建築物をそのままの状態で移動する建築工法。鉄筋の新築が増えたため、技術の伝承がうまくいかなかったことなどから、職人が減っていた。
同市の城下町と福住地区が国重要伝統的建造物群保存地区に指定されたことや、都市部からの移住者が古民家を再利用する風潮が高まりつつあることなどから、2012年に同訓練コースに曳家コースを設定した。
同コースには、市内の大工や左官工など10人が在籍。森田新治さん(後川上)を講師に、8―11月に計72時間の座学と実習を進めている。