丹波市は、開会中の市議会定例会に、青垣町に生まれた俳人、細見綾子を顕彰し、文化振興をはかることを目的とした「丹波市俳人細見綾子ふるさと文化振興基金条例」の制定を提案している。遺族から細見綾子の生家(兵庫県丹波市青垣町東芦田)と1億円の寄付を受けたことから、現在、庁内で具体的な活用案などの検討に入っている。ゆかりの偉人や個人名の入った基金制定は、同市では初めて。
今年4月、細見綾子の長男、太郎氏の妻、澤木くみ子さん(東京都)から寄付の申し入れがあり、7月に話がまとまった。
昭和初期の建築と見られる木造平屋建ての生家は長く空き家になっており、太郎さんに頼まれた近所の住民が管理をし、俳句愛好家らが見学時に開放するなど、希望に応えてきた。
市は11月、鬼頭哲也副市長を座長に関係部長でつくる「利活用選定会議」を組織。関係8課から22の活用案を吸い上げ、基金の運用の仕方を含めて絞り込みの作業に入っている。細見綾子を顕彰する資料の展示にとどまらず、幅広い視点で活用法を考える。年度内に方針を固め、来年度から事業着手する予定。
市文化・スポーツ課は、「生家、基金ともに有効に活用したい」と話している。