兵庫県丹波市青垣町森の足立義郎さん(64)が、等級落ちの原因になる赤みが少ないピンク色の丹波大納言小豆を真空パックし、「若さや小豆」と命名し、赤飯用として売り出した。完熟前のやわらかい豆で、浸水の手間が入らず、袋から出してそのまま米と炊ける。足立さんは「期間限定の漁師飯ならぬ農家飯として売り出していきたい」と話している。
一昨年、知人からさやが褐色になる手前、黄色をした若いさやの小豆で赤飯を炊くとおいしいことを教わった。試しに炊飯してみると色、食感とも乾燥させた小豆と遜色がなかった。周囲にたずねると、同じように赤飯にして食べている人がちらほらあった。「色が淡いのは、選別してよる。価値がなかったものが商品になり、生産者の収入が増える。調理する人も、手軽に赤飯を作れる。しかも、収穫期の一時期しか品物がない特別な感じもあり、いいことずくめ」と、商品化を決めた。
丹波栗の生産者で、むき栗を真空パックする設備を利用。黄色のさやから色づき始めた粒を取り出し、ふるいにかけてサイズを整え真空パック。3合の米と炊く150グラム入り(1袋300円)をこしらえ、JA丹波ひかみ本店前の「とれたて野菜直売所」で販売している。
「知っている人は知っていて食べているのに商品化されていない。手でさやをもぐ小規模農家向きで、どんどん真似してもらって、広めていければ」と話している。