兵庫県篠山市内の各種団体から市名を「丹波篠山市」にするよう市長らに要望書が提出されたことを受け、市は、市名に関して、どのような混乱・誤解があるかを市職員や関係団体に聞き取りを行い、事例を集約した。また、市名を変更した場合にかかる経費も試算し、市に関連するものだけで6550万円と推計。ともに5月9日に篠山市役所で行われた議会政策討論会で明らかにした。
聞き取りでは、市創造都市課が中心となり、職員や各課に関連する市民団体などに混乱や誤解の事例があるか、またこれまでにあったかを調査。行政、観光、特産などに項目を分けてまとめた。
行政関連では、「丹波篠山」という言葉が篠山市ではなく、丹波市と篠山市の両市を指して使われているケースや、ふるさと納税の事務で篠山市に問い合わせがあり、「商品が来ない」「寄付証明書が届かない」などの声があったが、話を聞くと丹波市に寄付していた事例があった。
観光面では、観光客が篠山市と勘違いして丹波市に行っていたことや、丹波市で開催されるイベントの問い合わせが篠山市にあったことなどが上がった。
特産やブランドでは、移住者からの声として、「丹波の黒豆」が「篠山市のものか丹波市のものかわからなかった」といったものや、丹波焼を求めてきた客が丹波市に行っていたことなどがあった。
行政経営課が試算した市名変更にかかる経費の内訳は、▽市役所や公民館など公共施設の銘板改修などに1325万円▽コンピューターシステム改修に2980万円▽戸籍・住民基本台帳経費に430万円▽学校や消防本部などの校旗作成経費で740万円―など。市名変更経費については、以前にも市職員のプロジェクトチームが試算していたが、消費税率が変わっていることなどから新たに試算した。