今年2月に閉鎖した地方卸市場「篠山魚市場」を再興し、新しく10月から「丹波篠山市場」の開設をめざす合同会社「gino丹波」(林尚司代表、資本金500万円)が9月4、5の両日、篠山市民センター(兵庫県篠山市黒岡)で、新しい市場の説明会と出荷者の登録会を開く。いずれも午後6―8時。また、市場再興を支援したい市は、農家、仲買人、小売業者らからの要望を受け、4日開会の市議会定例会に初期投資や半年分の人件費として約1000万円の関連補正予算案を提案する。
市場は、県篠山総合庁舎(郡家)の倉庫群の一部を利用。特産の黒枝豆の出荷をにらんで10月1日にスタートする。
出荷登録を希望する人は、説明会にJAバンク(JA丹波ささやま)の貯金通帳、印鑑(通帳の届け印)を持参すること。登録は、両日以降も随時、受け付ける。
新しい市場の開設を前に生産者でつくる「丹波篠山市場出荷協議会」(稲川茂樹会長)を設立。出荷登録者に加入してもらう。
入会金無料で、年会費2000円。
同社によると、市場では農産物のせり市のほか、阪神間の百貨店に直売所を開設することも計画中。篠山産野菜のファンが増え、ブランドが浸透すれば、安定的な買い手がつくことで値崩れの抑制や、さらには生産者の励みにもつながる。
今後、開設に向けて野菜運搬用トラックや資機材の購入、事務所の開設、また、仲買人との契約も始める。
林代表(56)=同市犬飼=は、「野菜を育て、栽培について勉強し、消費者に売り、食べてもらい、お客さんに喜んでもらう」と意気込む。また、同協議会の稲川会長(70)=北沢田=は、「品種について勉強して同じ野菜でも出荷時をばらつかせたり、消費者が望んでいるものに取り組むなど、生産者同士で勉強し、意見交換し、切磋琢磨できる組織にしたい」と話している。