畜産糞尿を使ったバイオガス発電プラントの研究を進める丹波市酪農組合が、9月19日午後1時から春日町古河公民館で勉強会を開く。発電と、発電の副産物として生じる液体肥料の利用を考える。肥料に関心のある農家の参加を募っている。
酪農を営む中野牧場(中野忠宗さん経営)=同町古河=から出る畜産糞尿を利用してバイオガスプラントを作る計画が進んでおり、同発電のしくみと副産物として生じる消化液の肥料としての有効性を畜産バイオマスに詳しい、帯広畜産大学の梅津一孝教授から学ぶ。
畜産糞尿を発酵させ、抽出したガスを燃やして発電する。発酵の際に残った副産物が液体肥料で、他に発酵時に生じる熱もエネルギーとして利用できる。
中野さん(37)によると、酪農家の労働の4分の1が糞尿処理に割かれており、糞尿処理は現状ではたい肥にするぐらいしかなく、たい肥として処理できる量に限りがあることから、飼育頭数を増やせない理由の一つにもなっているという。
酪農家の負担を軽減し、将来にわたって安全安心な牛乳を飲み続けられるようにと、中野さんも生乳を納入している丹波乳業(氷上町石生)の「低温殺菌牛乳」を応援する消費者団体らが、バイオガスプラント設置を提案し、後押ししている。運営会社を作りバイオガス発電の売電収入で建設コストをまかなう方向で協議している。昨年、県の助成を利用して資源量調査も行い、実現は可能と判断した。
中野さんは、「売電が目的でなく、糞尿処理の労力軽減が主目的。副産物で出る液体肥料を農家に還元し、新しい耕畜連携のしくみを作りたい。液体肥料はにおいも少なくデータ上有用性は実証されている」と話している。
問い合わせは中野さん(TEL090・8579・5087)。