個性あるまちを応援
建築家 竹内 壽一 (たけうち ひさいち) さん (横浜市在住)
1950年 (昭和25年) 篠山市生まれ。 篠山鳳鳴高、 早稲田大学理工学部建築学科卒、 同大学院修士・博士課程修了。 日本建築家協会理事。
建築設計のほか中山間地域のまちづくりに関心を持ち、 各省や県の地域づくりアドバイザーとして各地の取り組みを支える。 「建築設計には、 その背景にある自然景観、 町並み、 歴史なども大切な要素です」 と話す。
多紀郷友会の発行する 「郷友」 にまちづくりにかかわった地域について 「まちおこし+まちづくり」 というテーマで連載している。 「20世紀がものを造っては壊し、 捨てることの繰り返しの時代なら、 21世紀は環境に配慮しながら、 ものを大切に長く使い続ける時代。 小さくともキラリと光る伝統と個性あるまちが時代の先端を歩んでいる」 と書いた。
そんな建築家としての目を養うきっかけになったのは、 大学3年の時に半年間休学してスウェーデンで研修した経験。「西欧各地の小さな町や建築を見て回り、 古い歴史を感じさせる建築群に、 統一感と建築を創るためのエネルギーを感じました」。
大学、 大学院を通じ指導教官だった武基雄氏の建築事務所に勤務の後、 独立した。 「石原都知事もご指摘のように、 先生は、 鎌倉のまちづくりに市民と一緒になって、 古都保存や開発から緑を守る運動を手がけられました。 町づくりにかかわっているのもその影響」。
「中学生のときに東京オリンピックがあり、 その施設を手がけた有名な建築家、 丹下健三さんの、 『東京を改造する』 というテレビから流れる言葉に 『かっこいい』 と思い、 あこがれました」。 高校時代は、 数学や美術、 社会科の科目も好きで、 生徒会活動にも取り組んだ。 卒業時には、 優秀な生徒に贈られる青山賞を受けた。 「そのころから、 人とかかわり、 社会の役に立つような仕事をしたいと考えるようになりました」。
どこに出かけても 「篠山の出身」 とPRしている。 「私の仕事の原点があります。 都市的要素と農山村地域がうまく溶け合うまちづくりは、 全国の中山間地域のモデルと思います」
(臼井 学)