飲食店の生活衛生の向上に尽力したとして、 厚生労働大臣表彰を受けた。 氷上郡内飲食店で作る郡飲食業環境衛生同業組合の組合長を10年務め、 1994年から県飲食業生活衛生同業組合の副理事長を務めている。
「組合はそれぞれのお店の繁栄を支援する組織。 食品衛生に関する講習の場を設けるほか、 資金面での相談や、 メーカーとタイアップして、 少しでも仕入れ値を安くするようサポートをしています。 組合員は県下で約3000人、 氷上郡では80人。 料理屋、 レストラン、 スナック、 居酒屋などの経営者で作っています」
「衛生面では、 指導員として食品衛生巡回指導に立ち会ったり、 組合員の食品衛生講習会への参加を呼びかけたりします。 講習会では食中毒を出さないことと、 万が一発生した場合の賠償保険などについて研修を積んでいます。 衛生は、 飲食店が最も神経を使うところ。 昨日大丈夫でも、 今日は分からない。 一回一回の調理に気をつける。 それくらいして当たり前です」
「最近の組合の悩みの種は、 改正道路交通法施行により、 飲食店、 特に酒場から客足が遠のいたこと。 頭が痛いけれど、 火急に取り組まねばならない問題。 組合とタクシー会社、 代行運転会社との連携をいっそう強化しなければならないと考えています。 例えば、 乗合タクシーや巡回バスのようなものを走らせることはできないでしょうか。 乗る場所を決めておいて、 柏原のバイパス沿いは何時、 成松は何時と時間を決めて。 運営費をどうするかが課題ですが」
「お客さんを大事にする店でなければ生き残っていけない。 アルコールを飲んだ後の帰りの足の確保を含め、 『安全、 安心』 がキーワード。 食べても健康を害さない安全な食事であるだけでなく、 さらにカロリー表示など、 お客さんの健康面についても配慮しなければいけない。 BSE、 O-157など、 新たな問題が次々出て難しい時代だが、 知恵を絞り組合員のためにがんばりたい」
受賞でいっそう気が引きしまったという。 飲食店を経営し、 郡暴力団追放推進協議会会長としてもらつ腕をふるう。 氷上町朝阪。 65歳。 (T)