丹波地域初の古民家鑑定士 芦田幸央さん

2009.09.28
たんばのひと

 古民家の保存、 活用、 再利用を目的に、 厚生労働省認可の財団法人 「職業技能振興会」 が創設した 「古民家鑑定士」 の資格を、 丹波地域で初めて取得した。 古民家の良さを、 固定資産税の課税評価の観点からでなく、 建築的見地と文化的見地から評価しようというもの。

    
  「鑑定士は、 200項目にわたり、 家のいたみ具合をチェックします。 土台、 床下の湿気、 柱の傾き、 屋根や瓦の状態、 雨漏りの有無、 病院や学校へのアクセスなどの立地条件など。 所要時間は、 2、 3時間。 結果を事務局に送付すると、 その物件の価値を金額で表示した鑑定書が送られてくる、 という流れ。 調査と鑑定書作成の費用を合わせて1万円です」
  「本業の建築資材販売の一つとして、 2年前から古民家を解体した際に出る古材を買い取って再利用する事業を手がけていて、 丹波地域で空き家になっている古民家をたくさん見てきました。 いなか暮らしに憧れて来る人は、 古民家志向が強く、 古民家という資源を利活用すれば、 地域の売りにできるのでは、 とぼんやり考えていたところに資格が創設され、 飛びつくようにして取得しました」
  「古材を扱っていると、 『家を丸ごと引き取ってほしい』 と相談を受けます。 『もったいない』 と思うような物件、 また、 もっと早く修理していたら住めたのに、 すっかり朽ち果ててしまった家が壊されるのをたくさん見てきました。 丹波地域では、 古民家が 『くず家』 と呼ばれるように、 価値を感じている所有者が少ないのが現状です。 第三者が評価することで、 持ち主に 『古民家には価値がある』 ということを認識してもらえれば」

    
 ウッディコーセー取締役。 人口が減り、 空き家の増加は容易に想像できる将来。 これから先どうしようかと迷っている所有者は、 潜在的にあるだろう。 活躍の機会はたくさんありそうだ。34歳。丹波市氷上町横田。 (足立智和)

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