丹波美術大賞に輝いた美術教諭 中野健夫さん

2009.12.14
たんばのひと

 青色を基調に、 アインシュタインを中心に、 鹿、 羊、 シーラカンス、 アンモナイトなどを配した 「EINSTEINの視線」 で、 全国公募の 「第4回丹波美術大賞展」 で大賞に輝いた。 ふるさと丹波絵画展、 春日水彩画展、 丹波市展と応募を続けおよそ15年、 あと一歩届かなかった念願の賞にようやく手が届いた。

    
  「優秀賞3回、 佳作賞7回、 奨励賞2回など、 賞には入れど、 大賞が取れなくて。 毎年悔しくて悔しくて、 来年は出展をやめようというような挫折感を味わいながら、 それでもその時期になると思い直して挑戦を続けてきた。 ほっとした、 やっと解放された、 という思いが強い」
  「今回は、 これまで描き続けてきた 『瞳』 を描かず、 詰め込んでいた静物や動物の数を減らした。 構図をダイナミックに変え、 大人しい雰囲気からはみ出した。 自分の中では冒険で、 落選するんじゃないかという怖さもあったが、 評価を得ることができた。 具象ではだめかと思い、 一度は抽象っぽい画風に変えようかと思ったけれど、 春日水彩画展から続けてきた画風を貫いて良かった。 この展示会に育ててもらったという感慨がある」
  「これからは、 二紀会の会員になることを目標にしたい。 去年、 東京の六本木で個展を開いたように、 2年に1度ぐらいは東京で個展を開き、 美術評論家に批評してもらって自分を高めていきたい。 自分は、 絵画を、 見た物をイメージに高め、 実際にない空間、 現実にない空間を形にする空間芸術と思っている」

 生徒たちには、 美術の楽しさとあきらめずにがんばる、 挫折しても最後まで頑張ることの大切さを伝えたいと考えている。 二紀会同人。 丹波市春日町古河。 51歳。 大賞、 優秀賞、 入選作を集めた展示会が、 丹波市立植野記念美術館 (0795・82・5945) で開催中。 20日まで。   (足立智和)

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