町歩きで発想転換

2019.04.07
未―コラム記者ノート

 丹波かいばら雛めぐりの企画で名店めぐりのツアーに参加した。雨に見舞われたが、お店でおいしい物も味わいながら、町屋などに飾られている雛人形をじっくり見る機会になった。ボランティアガイドの説明もあり、ぜいたくな時間だった。

 明治、大正、昭和、平成の雛人形の歴史をたどった。柏原藩邸に飾られた織田信長の血筋をひく最後の姫、江戸から明治に生きた鶴姫愛用の貴重な御所人形、三つ折れ人形も見学した。

 家庭で大切にされてきた雛人形。多くの目に触れることで、町に活気を呼び込み、町おこしの材料になった。雛の飾りつけや、吊るし雛づくりに携わった関係者の熱意に頭が下がる。各家の協力と相まって大きな輪が広がった。

 ふだん、何気なく車で通り過ぎていた町をめぐり、ゆとりある時間を過ごし満足感を味わえた。「他の地域の町歩きイベントに取り入れられる」と話す人もあった。

 連れ立って話をしながら歩くのは面白いし、ユニークな発想も生まれるだろう。アイデアは案外身近な所に潜んでいる。「歩くまち行く先々にヒントあり」(臼井 学)

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