鬼退治伝説にまつわる薬師如来像がまつられている兵庫県丹波市市島町下竹田の清薗寺(近藤丈夫住職)で4月14日、同寺の本尊「薬師瑠璃光如来像」が30年ぶりに御開扉される。地元では「十二薬師さん」として親しまれており、薬師堂に安置されている。当日は稚児行列や御開扉法要、記念式典などを催す。御開扉期間は21日まで。
用明天皇の皇子が鬼退治、成功お礼に如来像安置
近藤住職によると、1400年ほど前の用明天皇の時代、丹後与謝の大岳に鬼がおり、災いを振りまいていたという。天皇から鬼退治を命じられた皇子・麻呂子親王は、薬師如来の力に守られて無事に成功。親王はそのお礼に仏閣を建て薬師如来像を安置し、その一カ所が同寺薬師堂という。
地元では五穀豊穣や病気平癒などに御利益があるとされ、近藤住職によると、1994年の渇水時、薬師堂で地域住民とともに雨乞いの御祈祷を営んだ翌日、雨が降ったという。
御開扉に合わせ、薬師如来像が安置されている宮殿を修復したほか、薬師堂の屋根の葺き替え、床下補強などを行った。
御開扉当日は、午前9時に同寺から稚児行列がスタート。9時半から御開扉法要が始まり、記念式典、アトラクションと続く。午後零時半からもちまきがある。御開扉を記念したお守り、腕念珠守りの販売もある。
近藤住職は「前回の御開扉は平成元年、今回は平成最後の年。一世一代のことで緊張している。ぜひお薬師さんにお出会いしてもらい、縁を結んでもらえたら」と話している。
御開扉期間中の拝観は午前9時―午後4時。