兵庫県丹波市氷上町清住のカタクリ園で、”春の妖精”と呼ばれ、同市の市花でもある「カタクリ」の花が見ごろを迎えている。
クヌギ林の中に2カ所の群生地があり、太陽の光を浴び、濃い緑の葉と透き通るような薄紫色の花が斜面を埋め尽くし、里山を爽やかな雰囲気に包んでいる。
カタクリはユリ科の多年草。花弁は夜のうちにすぼみ、気温10度になると開き始め、17度になると反り返るデリケートな花。
3月下旬から咲き始めた。開花期間は短く、夏が本格化する前には地表から姿を消して地中の球根のみとなる。その生態から「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」と呼ばれている。
「片栗粉」は、昔はカタクリの球根から採っていたが、現在売られているものはじゃがいもなどのデンプンからつくられている。
園を管理する地元の清住村おこし実行委員会は、「晴れた日の午前中に来てもらうと、すぼんだ状態から40分で反り返るところを観察できる。白花も数株あるので探してもらえれば」と話している。